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トレーサビリティ体系図の書き方とポイント

 トレーサビリティとは、使われている計測器が、標準器という基準になるものや、さらには国の基準に基づいた特定計量器によって校正されていることを証明するシステムです。トレーサビリティは、検定証印や基準適合証印がついていることによって、何の基準で校正されたものかということが証明されます。
 これによって、利用者は測定器の値を信頼して使用することができます。さて、このトレーサビリティの詳細は、トレーサビリティ体系図というもので表されます。これは、測定結果から基準測定操作法や認証標準物質までの伝達経路を表します。
 わかりやすく言い換えると、これには測定方法と、標準物質と、キャリブレーターまでの経路が示されています。つまりこれも値の確かさを証明するためにあります。これには二種類の書き方があります。

 一種類目は、ISO書式です。ISOとは、日本語では国際標準化機構と呼ばれます。ここのトレーサビリティ体系図の書き方は、右に測定方法、左にどの物質を基準に用いたかを示すために標準物質を書き、基準測定操作法や認証標準物質が上に来て、下にいくにつれて値が伝達していきます。
 二種類目は、JAB方式です。JABとはthe Japan association board for conformityの略で、日本語では財団法人日本適合性認定協会と呼ばれます。ここのトレーサビリティ体系図の書き方は、右に測定方法、左に標準物質を書き、キャリブレーターまでの経路が示された形になっています。

 この時のポイントは、定量項目のトレーサビリティは書く必要がありますが、定性項目のトレーサビリティは書かなくてもいいということです。また、測定器の確かさを証明するにはトレーサビリティやトレーサビリティ体系図だけでは足りません。 測定器には最初以外にも、定期的に点検して校正する必要があります。定期的に校正したことを示すものは、校正証明書です。この証明書には、どうしても出てしまう校正の不確かさを精密に見て算出して書かれています。これを証明してもらうことで、二つの利点があります。
 一つ目は、測定でズレが生じた時に誤差の範囲内か、使用者または測定器に不具合があるかが分かります。そして二つ目は、その校正証明書がついている測定器で測った値には校正証明書に書かれている不確かさが追加で計算され、より確かな値に導いてくれます。
 結論として、信頼できる測定器にするためにはトレーサビリティ体系図と校正証明書をつけましょう。